あの夏の坂道。

駅メモのこととか旅行のこととかを、仕事してるフリをして書いています。

高知県土佐清水市に帰省したので地元民目線でブラブラしてみた。

2019年末、僕・一橋しゅんはめちゃくちゃ久しぶりに生まれ育った故郷である高知県土佐清水市に帰省した。
何年ぶりのことなのか正確にはわからないくらいに久しぶりのことだった。多分7年とか8年とか、それくらいぶりだ。
なんでそんなに長い間帰省していなかったかと言うと、まあ別に特に理由があったわけではない。両親と不仲なわけでもないし、地元土佐清水市が嫌いなわけでもない。むしろ地元好きな人間だと思う。あえて理由を挙げるとしたら、万年金欠であることくらいだと思うしよく考えてみれば多分それが大いなる理由な気がしてきた。
まあそんなことはどうでもいい。金欠なことはどうでもよくないけど。

とにかくめちゃくちゃ久しぶりに高知県土佐清水市に帰省した、ただの日記です。ごめんなさい。
※ぶっちゃけて4日目までは読み飛ばしてもらっても大丈夫です。
(この記事は当ブログで過去に投稿した記事「マスターオブ高知を目指す旅①~③」を「楽しかった思い出の場所記事コンテスト」投稿用に再編集したものです。)

 
 

■1日目…「いざ土佐清水!」(12/28~12/29)


まず、「高知県土佐清水市」と聞いて「ああ、あそこね!」とすぐに具体的な場所が思い浮かぶ人はごく僅かではないでしょうか。
場所を説明すると、高知県の西側の端っこの方、南の端っこにある市です。どんな場所なのかちょっとWikipediaから引用させてもらうと

>四国本島の西部南端に位置している。市域には高速道路や鉄道が通っていないほか、地理的に大消費地から遠く、当市は日本の市の中で東京からの移動時間を最も要する場所のひとつであるとされる

>また高知県内11市中人口が2番目に少なく、高齢化率が最も高い市である。主要産業である水産業の衰退とともに過疎化、高齢化が深刻化している。


散々な言われ様である。いや、言われ様というか紛れもない事実ではあるんだけれども。
このようにWikipediaでも言われているようにとにかく田舎で、「日本の市の中で東京からの移動時間を最も要する場所のひとつ」とまで言われるレベルなのだ。
とはいえ日本国内なわけで、土佐清水市にはもちろんないけど高知県には空港だってある。まあ空港から土佐清水市までがまた車で3時間とか4時間とかかかるので、決して近いと言える場所ではないけれども、それでも飛行機を使えば半日もあれば行けるのだ。

まあ僕の場合は新宿から夜行の高速バスを使ったので13時間程かかりましたけど。正気じゃない。それもバスが着くのはお隣の「四万十市」までなので、さらにそこから車で45分程かかります。狂気だ。
とにかくお金をかけずに移動したかったので僕は今回バスを使いましたけど、ホント、飛行機とか使うのをおすすめします。もしくは岡山まで新幹線で行ってそこから特急列車で四万十市まで行くこともできますので、それもありかと思います。そこから先土佐清水までのアクセス?知らん。(確か18時台とかにバスが終わるようなレベルです。前述の通り鉄道はないのでお気をつけて。)

いきなり「記事を読んでその場所に行きたくなった」という審査基準からガンガン遠ざかるようなことばかり書いてしまっていて自分でも焦る。
バスの隣の席のおっさんが酒盛りを始めて、まあ缶ビール(ロング缶)くらいなら普通だなと思ってたら500mlの紙パックの日本酒飲み切ってさらに缶ビール(ロング缶)を飲んでたので一瞬飲み屋に迷い込んだのか?と錯覚したりしつつもなんとか高知県に突入。
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バスの車窓からは、日の出まで見れた。こういう感じの海が見えると、なんだかいよいよ「帰ってきた」感がある。眠たいし身体はガチガチに凝り固まっているけど、少しワクワクしてくる。
そして新宿を経ってから実に13時間弱、ついに僕の降車する中村駅に到着した。
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この中村駅、構内にはそれなりに人がいたので残念ながら写真は撮れていないが、2010年に待合室がリノベーションされ、そのデザインやコンセプトが優れているといくつかの賞を受賞したりしているらしい。
実際僕もバスが予定よりも早く到着したので少し覗いてみたけど、我が地元ながらこんな田舎の駅のわりには随分と小綺麗で、でもどこか落ち着ける空間だと感じた。

このサイトで詳しく紹介されているので、興味のある人はぜひ見て欲しい。

まだ8時前ではあったが売店が開いていて、お土産コーナーも充実していた。まさにちょうどいいタイミングで近所のお店がお惣菜を卸していて、

「小腹も空いたし久しぶりに地元の味で朝食と行くかな!魚飯(いよめし・地元土佐清水の郷土料理)とかあるかなー?(わくわく)」

って感じで覗いてみたら、なぜか大量のたこ焼きを並べていたので、別にたこやたこ焼きが名物なわけでもないしスルーしました。なぜたこ焼きだったんだろう…。

そんなこんなで少しだけ時間をつぶしていると、母親が迎えにきてくれました。
久しぶりに会った母親は、思っていたよりもお婆ちゃんになっていて、元気そうではあったけどもなんだかちょっとだけ、何と言っていいかわからんけども、なんかこう、心に来るものがありました。

母親も朝食を食べていないということなので、一緒にモーニングを食べに行くことに。謎のたこ焼きを食べてなくてよかった。

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モーニングセットの、サラダとホットサンドと、味噌汁。
パン系の朝食に味噌汁っていうのは、モーニングというメニューではまあそんなに珍しいものではないと思う。(だよね?)
しかし、写真ではちょっと見づらいんだけど、サラダになぜか揚げシューマイが乗っていた。そんな文化というか風習?高知にあったっけ?って考えてみても思い当たらないので、母親に聞いてみた。

「サラダに揚げシューマイって高知ではよくあるんだっけ?」

「美味しい」

会話が成立していない。でもまあ美味しかったしどうでもいいか。

帰り道に四万十の十和という町で原木栽培の椎茸が名物だと聞いていたので、焼き椎茸が好きな僕はぜひともゲットしなければ…と思っていたのですが、お土産物屋さんと道の駅が合体したみたいなお店であっさりゲットできました。

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隣に菌床栽培の椎茸もあって、見た感じ同じような量なんだけど手に持ってみると原木栽培の方は明らかにずっしりと重い。これをグリルで焼き椎茸にすると………そしてビールでグイっと………たまらんなぁオイ。聞いてんのか、オイ。

さて、いろいろと寄り道しながらも無事土佐清水市の実家に到着。いやあ、相変わらずすげえ田舎だ。なんせ僕の部屋の窓からの光景がこれだ。
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いや、ごめんなさいこれはちょっと流石に大袈裟です。
まあ僕の部屋から見える景色であることは間違いないんですけど、反対側の部屋からは川とか海とかも見えます。どちらにしてものどかが過ぎることには違いないんですけどね。そちらの景色はちょっとピンポイントに実家を特定できてしまえかねないので、流石にアップは控えておきます。
ちなみにこの写真をツイートした時、フォロワーさんからものすごく気を使ったであろうことが見て取れるコメントをいただいてわろた。

荷物もちょっと整理して着替えも済ませてひと段落した僕は、テレビをつけてみた。そしてこの番組表だ。

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NHKと民放を合わせて5チャンネル。テレ朝系列とテレ東系列が映らない。しかも僕が小学生の頃はフジテレビ系列のさんさんテレビもなかったので、長らく少年時代の僕は4チャンネルで過ごしていたのだ。
「いいとも」とかは確か、日テレ系の高知放送で夕方4時にやっていた。夕方4時に「お昼休みはウキウキウォッチン♪」とか歌いだすのだ。東京の人は夕方4時までお昼休みをとれないのか…とまだ見ぬ都会の闇に震えながらも、テレビ大好きっ子として立派に成長したのだ。褒めていいレベルだ。称え崇め祀るべきだ。

ここまで記事を書いていて気が付いた。これは完膚なきまでにただの日記だ。
今のところこの記事を読んで「俺、コロナが落ち着いたら土佐清水市に行くんだ…」と思ってもらえる要素がほとんどない。椎茸くらいしかないんじゃないか。揚げシューマイはちょっと弱すぎるし。
ここらでドスンと一発土佐清水の魅力をお伝えしたいところだけど、この日は過酷なバス旅の疲れのせいでこのあと気が付いたら眠ってしまっていた。夕飯は久しぶりに両親とわいわいと楽しみました。
2日目!2日目は思いっきりいい場所紹介しますんで!!



■2日目…「同窓会」(12/30)


2日目のタイトルがもうやばい。「同窓会」って。完全に日記じゃん。
まあこの日は久しぶりに高校の同級生たちと集まってお酒飲んだりしました。完全に日記じゃん。2日目おしまい。



■3日目…「海を眺めるドライブ」(12/31)


ようやくすこしそれっぽいことをする日が来た。3日目ですおはようございます。
今日は12月31日、大晦日なのですが特にすることもないので親の車を借りてちょっとドライブをしてみることにしました。これといって目的の場所があるわけではございません。道中気になった場所に立ち寄ってみようかなーって感じです。

てなわけで自宅から車を走らせる。
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僕の地元、土佐清水の海だ。
テレビなんかで沖縄の海とか海外のリゾート地の海を見るたびに、「土佐清水の海もこんなに綺麗だったらなあ」とか思っていたんだけど、僕の記憶違いだった。海、めちゃめちゃ綺麗だ。
ここは道中綺麗に海が見えた場所をとりあえず撮ったものなので、砂浜ではなく磯なんだけど、それでも海の綺麗さは伝わると思う。
もちろん、海水浴が楽しめるビーチもある。この写真の場所からちょっと行った先にある「桜浜」といういかにも素敵感溢れる名前の海水浴場や、もう少し先に行くと数年前にTwitterなどSNSを中心に話題になった「柏島」にもこの近くからアクセスできる。
時間もお金もかかる場所だけどそれだけの価値があると、僕は個人的に思う。

海沿いの道を走り抜け、今度は山側の道を通ってお隣宿毛市宿毛駅方面に向かう。その間の風景も、のどかなものだ。

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なんせ、この雄大な自然の中を通る道路に、マジで僕以外の車が走っていない。もちろん人も歩いていない。
ここまでくるとのどかを通り越して、ひょっとして僕以外の人類は全滅してしまったのではないかと不安になってくるレベルだ。不安になってラジオをつけたら、高知のローカル放送が流れていたので少なくとも高知県民はまだ滅亡していないと安心できた。

こんな道をひた走り、またも海沿いの道に出て、そして宿毛市内の「道の駅すくも」で少し休憩をすることにした。
…のだが、この施設の写真を撮り忘れてしまっていた。なので代わりに

www.michi-no-eki.jp


こちらの道の駅公式サイトをご覧ください。
すぐそこが港になっていて、海のそばまで降りられます。カフェスペースでは海を見ながらホッと一息つける素敵な道の駅です。

そして港側に降りた先にあった堤防。
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絶対に真夏に若い女の子を立たせたら映えるスポットだ。一色紗英とかがポカリのCMとかやってそうな場所だ。歳がバレる。瞳そらさないで
あと、別にどうでもいいんだけどこんな写真も撮っていた。
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階段がおしっこ漏らしている写真。
なんでこんなのを撮って道の駅の外観を撮ってないんだろう。ザ・無能かよ。

そんなこんなで宿毛駅付近に到着し、ぐるりと先日訪れた四万十市方面を回って帰路につきました。
とりあえずサーファーの間ではちょっと有名な(と土佐清水市民が勝手に思い込んでいるだけかもしれない)「大岐」の砂浜の写真。
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ちょっと日も落ちかけててアレですが、キレイで真夏はホントにたくさんのサーファーが訪れる場所です。砂が細かくきれいで、夏は砂浜にテントを張ってキャンプしてる人たちもいたりします。
ただ、潮の流れが危ないいわゆる「離岸流」とやらが発生する場所で、禁止されているわけではないですが海水浴には向いていないというちょっと残念な場所でもあります。でもまあ僕らは泳いでたけどな。命の危険の可能性もありますのでご注意ください。

…帰ってきてしまった。せっかくドライブに出かけたのに、もう終わりかよ。結局日記じゃないか。

悔やみつつも晩酌する。お酒に逃げてるわけじゃございません。
夕食を終え、両親も年なので大晦日とは言え早めに布団に入り0時を待つことはない。
僕も最近は0時前に眠ることが多くなってきたけど、大晦日くらいはせめて年が明けるまでは起きておこうと思い、自分の部屋でちびちびと飲みながら過ごした。
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帰り道で買ってきた日本酒「てっぺん四万十」。
なんとなく選んだお酒だったけど、僕の好きな西岡酒造さんのお酒だった。

………無理だ、バカ舌の僕にはこれ以上3日目を引っ張ることができない。
でも、安心してほしい。最終日の4日目はちょっと有名なところに出かけます。


■4日目…「君と行くなら足摺岬」(1/1)


あけましておめでとうございます。(一応)

さて、1月1日。日本人の1月1日といえば、そう初詣です。今日は友人と一緒に初詣に行くことになっております。

ところで、高知県を擁す四国には「お遍路」という文化があることをご存じでしょうか。詳しく説明するとただでさえ冗長な文章がさらにとんでもないことになるので詳しく知りたい方はググっていただくとして、ざっくりと説明すると、四国にある八十八箇所の寺院を順番に巡って参拝するものです。
その八十八の寺院の内のひとつが、僕の地元にあります。三十八番札所「金剛福寺」です。
四国の南の端っこ足摺岬にあるお寺で、このお寺に初詣をするのが小学生の頃からの僕の定番でした。
今回、同窓会に出席するために帰省していた友人と一緒にその金剛福寺に初詣に行こうという運びになったわけです。久しぶりの足摺岬なので、ちょっと観光もしてしまおう。

さて、そんなこんなで僕の自宅から車で20分弱、やってまいりました、足摺岬
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ドーーーーーーン!!!!!!!

流石にこれは絶景だと言わざるを得ない。天気も最高に良くて、空も海も真っ青!僕は時間に起きられなかったけど、きっと初日の出もキレイに見られたに違いない。
土佐清水市の中でもっとも有名な場所といっていい観光地なので、せっかくなので友人が提供してくれた写真も合わせていくつか紹介させてもらう。
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と思ったんだけど、この友人、僕ともう一人の友人が映った写真ばかり撮っていて、あんまり景色の写真がなかった。僕らのことが大好きなんだろうか。照れる。

というわけでこの写真だ。足摺岬を綺麗に望める展望台で、2枚目の真ん中にいるのは僕です。めっちゃ邪魔ですね、すみません。
しかし1枚目の写真や僕越しに見える水平線の凄さが少しくらいは伝わると思う。なんというか、「地球は丸い」というのが少しわかる、ってくらいに圧倒的な水平線が広がっている。地球の壮大さを感じられるスポットだ。
そんな素晴らしいスポットで僕がなぜこんな風に突っ立っているのかと言うと、友人に「ここに立って大きな声を出してみて」と言われたからだ。なんで?と聞いたけど、その友人は「やってみればわかる」としか言わなかったので、わりと他の観光客でにぎわっている中「こんにちは!」と大きな声で叫んでみたが、特に何もなかった。
どういうことか友人に詰め寄ったら「ここで大きな声を出すと響き方が違う気がする」とのこと。前言撤回だ、僕のことがあまり好きではないのかもしれない。みなさんも展望台に訪れた際はぜひ真ん中に立って大きな声で「こんにちは!」と叫んでみて欲しい。
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とにかく絶景なのだ。(また僕たちが邪魔でごめん)

もちろん海の波打ち際まで降りることもできて、
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こんな感じで霊験あらたかっぽい神社の脇を通り抜けると
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白山洞門という自然の作り出した神秘を見ることができる。
このときはちょうど穴の向こうから日が差していて、本当に見とれてしまうような、綺麗な景色だった。海の写真もそうだけど、僕の写真の技術がないせいもあるが、こればっかりは現地で見ないと伝わらないのが惜しい。
白山洞門の近くは比較的大きな石が転がっている海岸になっていて、ビーチと呼ぶのは憚られるが、なかなか気持ちのいい海が広がっている。

ここで僕たちは手頃な石が転がっていることに目を付け「ロックバランシング」に挑戦した。田舎で育った僕たちは、アクティビティが用意されていない場所で遊び方をみつける能力に長けているのだ。
ロックバランシングとは、河原や海辺にある自然の石を絶妙なバランスで積み上げる遊びだ。上級者ともなるともはや重力に逆らっているとしか思えないレベルで、一見とんでもないアンバランスに見えながら絶妙なバランスで積みあがっており、究極のアートとまで言われることもあるようだ。

アートと言われると、思わずやる気を出してしまう。高校3年生の夏休みに写真部に入部しその直後のコンクールで、カメラに対する知識が「半押ししてピントを合わせて、全押しで撮影」ってことしかなかったのに賞を受賞した僕の美的センスと、小学二年生まで補助輪なしで自転車に乗れなかったその類稀なるバランス感覚を見せつけてやろうではないか。
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どうだろう。結構すごくないだろうか。
二段目より上の石がすべて絶妙なバランスで積みあがっている。もちろん接着剤などのズルはしていない。我ながら傑作である。

「またいつかここに来た時に、残ってたらいいね。あり得ないけどさ!(爽やか笑顔)」

なんて安い青春ドラマのセリフみたいなことを言ったりもしたけど、この記事を書くためにロックバランシングを調べてみたら僕の作品などハナクソに見えてしまうレベルの作品がゴロゴロでてきたので自信を無くしてしまった。今となっては1秒でも早く倒れて激しい波にさらされ削られ雄大な太平洋を漂う海の藻屑となってほしいと思う。

というわけで寄り道はこの辺にして、金剛福寺に初詣です。
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普段は決して人が多い場所ではないけど、さすがは元日といった感じで出店もいくつか出店していて、境内は人で溢れていた。
僕たちもしばらく並んでから参拝をすませ、僕はお守りを買おうと売店?に向かった。
恋愛運とか金運とか仕事運とかじゃなくて、全体的にご利益のある感じのお守りが欲しい、といった僕に対して友人がこれいいじゃんと選んでくれたのは、車のダッシュボードなんかに貼れるようになった、シールタイプの交通安全のお守りだった。コイツ本当に人の話聞いてねえな。僕のこと嫌いなんじゃないだろうか。

ここでおみくじを引き忘れたことに気が付いたんだけど、参拝をする場所のすぐ横におみくじがあって、引こうと思うともう一度列に並ばないといけない感じだったので諦めた。またどこかで機会はあるだろうし、そのうち引こう。

さて、さすがに人で溢れかえった境内では写真はあまり撮れなかった。その代わりというわけでもないが、観光地である足摺岬の個人的おすすめスポットを紹介したい。

足摺岬には、「足摺の七不思議」と呼ばれるスポットがある。9個ある。

この時点で破綻している気もするが、まあその辺は太平洋のように広い気持ちでスルーしてほしい。
オカルトなものが大好きな僕なので、昔からこの七不思議が大好きだった。9個あっても大好きだった。すべてを詳細に紹介するとちょっと冗長になってしまうので僕のお気に入りをピックアップして紹介させていただきます。なんせ七不思議なのに9個もあるからな。

「ゆるぎ石」
弘法大師金剛福寺を建立した際に発見したとされる大きな石。
上に乗って揺らすと、その揺れ具合でその人の孝心(親孝行をしようと思う気持ち)がわかるという。
僕も乗って試しましたが、まったく揺れないということはないけど、さほど揺れませんでした。しかし、足摺岬出身の友人が乗って揺らすと僕のときよりずっと揺れる。僕には親孝行の気持ちが足りないのか…と思っていると、「これコツがあるのよね」と。コツってなんだよ親孝行の気持ちが大事なんじゃないのかよ。

「地獄の穴」
今は埋まってしまっているが、この穴にお賽銭を入れると、チャリンチャリンと小銭が落ちていく音が随分と長い時間聞こえ続けていたそうな。つまり相当深い穴で、そうそれはまるで地獄まで続いているかのような……
看板には「金剛福寺の下の方まで続いていると言われている」と書いてある。実際のところはどうなのかはわからないし、つまり金剛福寺の地下は地獄なのか?という疑問は残るが、投げ入れた小銭は割と長い時間落ちていく音が聞こえていた。
昔は特に保護するようなものはなく剥き出しの穴だったけど、今はちょっとした祠みたいになっていた。まあこんな説明文があったらみんな思わずお賽銭入れちゃうだろうし、そりゃあ祠もできますわな!

「亀呼場」
はい、コレです。上記の二つはちょっと弄る感じになっちゃいましたが、このスポットだけは僕は本物だと思っている。
昔、弘法大師がこの場所で亀を呼ぶと海中から亀が現れて、大師はその亀の背中に乗って沖にある不動岩に渡り、祈祷を行ったと言われています。
この場所、マジで亀が来るんスよ。絶対信じてもらえないと思うんですけど、マジで亀が来るんスよ。大マジっス。
僕はこれまで、今回も含めて4回ほどこの場所で恥ずかしげもなく「亀よーーーーい!!!」って叫んだことがあるけど、ここ、マジで亀が来る。4回中4回亀が来たからもう間違いない。
大声で呼んだ後、長くても3分待ってれば亀は来る。今回も来た。
今回はちょっと呼んだ後に他の観光客が来たので、長居するのもアレかなと思って確認しないでその場を去ったんだけど、その直後に観光客の歓声が上がった。ダッシュで戻ったら、「あー見えなくなっちゃった」とのこと。
ここでもう一回僕らが亀を呼んだらヒーローだな、と思って、本当はちょっと恥ずかしいけど「亀よーーーーい!!!」と叫ぶ。このあと3分は待っていたいんだけど、観光客の中には子供もいるし、いい歳したおっさんどもが場所を占領してるのも良くないと思い退散した。
そしたらその直後また歓声が上がる。やはり亀は来たのだ。
そんなことを何回か繰り返してるうちに、僕たちも無事亀を見ることができた。亀も正月早々何度も呼び出されて迷惑だったかもしれない、申し訳なかったと思う。
あと、観光客が全然亀を呼ばない。本来その役目を負うのはお前だろっていうキッズまで全然亀を呼ばない。僕たちしか亀を呼ばない。僕たちだって恥ずかしいんスよ。

そんなわけで、足摺岬の七不思議から、僕の特におすすめする三か所を紹介させてもらった。9個ある七不思議の内3個を紹介させてもらった。
他にもまだ6個の七不思議があるので、詳しくは下記の土佐清水市公式サイトをチェックしてほしい。七不思議を3個紹介したのにまだ残り6個あるし、どれも徒歩で回りきれる範囲にあるものなのでぜひとも機会があれば実際に訪れて欲しい。亀マジで来るから。

足摺の七不思議 - 土佐清水市


そんなわけで、最終日の4日目でようやく土佐清水で一番有名であろう足摺岬を満喫した。

このあとまたもやお隣の四万十市まで友人たちと出かけて遊んだ。(さすがに元日から遊んだり飲食できるようなお店は土佐清水市内には少ないけど、記事内でも再三登場する四万十市に行けば色々なんとかなります。)
帰宅したのは夜の7時半を過ぎていた。ササっと風呂に入って、母親お手製のお正月料理、数の子松前漬けをつまみに酒を飲んだ。あと、僕の好物ウツボの唐揚げだ。
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ようやくそれらしい高知グルメを紹介する時がやってきた。母親の手料理で申し訳ないけども。
ウツボの唐揚げ自体は、東京の高知料理を出す居酒屋なんかで普通に食べることができる。一応高知県の名物というか、地元料理といえるものだ。ただ、そういったお店のウツボの唐揚げは、衣はパリッと身はふんわりと揚げられているものがほとんどなのだ。なんというか、ご飯のおかずにもなるかもってくらいで、上品な感じに調理されている。
しかし、一橋家のウツボの唐揚げはほぼ素揚げで結構な硬さになっている。スナック菓子のようにバリバリボリボリ食べることになるものもあるくらいだ。これではご飯のおかずにはならない。酒飲みの家系である一橋家にお似合いな、完全に酒の肴。
こういうタイプのウツボの唐揚げは、母親お手製のもの以外であまり食べたことがない。昔土佐清水市内にあったどこかの居酒屋で食べた記憶があるくらいだ。
そんなわけで僕の好きなバリバリボリボリタイプのウツボの唐揚げにはなかなか出会えないかもしれないが、それに拘らなければ都内でも食べられるお店はある。4Bタイプ(バリバリボリボリタイプ)でなくても美味しい唐揚げなので、見かけた際はウツボの凶悪なスタイルに尻込みせずにぜひ召し上がってほしい。
ごく稀に、ウツボの小骨と言ってはいけないくらいに強靭な小骨が歯茎に刺さることがあるが、ウツボの見せた最後の抵抗だと思って捕食者として感謝と慈しみの気持ちをもって許してあげよう。

 


■終わりに


これで僕の土佐清水紹介記事(という名の日記)はおしまいだ。
佐清水出身の人間として言わせてもらうけど、ぶっちゃけた話土佐清水には強い武器となるような、観光地として目玉になるようなものは割と「何もない」と思う。でも、いつか何かで読んだ「"何もない"がある」という言葉がしっくりくるのだ。
もちろん、観光客としての目線で見れば家族やカップルで楽しめるアクティビティなんかもないわけじゃないし、一応リゾートホテルもあったりする。だけど、あえての地元民目線で「"何もない"がある」足摺岬を紹介させてもらった。

どんどん目新しいものを取り込んで、どんどん古くなったものを置き去りにしていく都会の生活に少し疲れた人はぜひこのド田舎「高知県土佐清水市」に訪れてみてほしい。
そして、できれば1日、特に何もせずブラブラと足摺岬周辺を散歩するだけの日を作ってみてほしいと思う。
海を眺めながら無料で利用できる足湯なんかもあるし、高知名物カツオのたたきを食べられるレストランもある。それこそ9個ある足摺岬の七不思議をめぐってみたりするといい。
道中で見られるなんでもない景色が、きっと大切な思い出になってくれるはずだと、僕は思う。


おしまい。