あの夏の坂道。

駅メモのこととか旅行のこととかを、仕事してるフリをして書いています。

マスターオブ高知を目指す旅③ 君と行くなら足摺岬編

あけましておめでとうございます。
8年振りに帰った地元で、2020年を迎えた一橋しゅんです。
今年も一年、宜しくお願い致します。
(2020年1月1日のことを書いた記事なので律儀に挨拶してます。)

最初はこの旅行記も1回の記事で全部書ききるつもりだったのですが、やはりTwitterと違ってブログは余計なことをガンガン書けるからドンドン長くなっていってしまいますね。多分その⑤かその⑥で完結することになると思いますので、読んでくれてる方はもう少しだけお付き合いください。
仕事中に仕事をしてる振りをしながら書いているこの文章ですが、こんだけ長いとまだ僕の仕事始めは当分先になりそうです。

さて、1月1日。この日は計画段階では特に予定を入れておらず、寝正月で過ごす予定でした。が、友人に初詣に行かないかと誘われましたので、せっかくなので出かけてまいりました。

 
高知県を擁す四国には、お遍路という文化があります。詳しく説明するとただでさえ冗長な文章がさらにとんでもないことになるので詳しく知りたい方はググっていただくとして、ざっくりと説明すると、四国にある八十八箇所の寺院を順番に巡って参拝するものです。
そしてその八十八の寺院の内のひとつが、僕の地元にあるのです。三十八番札所「金剛福寺」です。
四国の南の端っこ足摺岬にあるお寺で、僕は小学生の頃からこのお寺で二年参りをするのが定番でした。というのも、僕の家から金剛福寺までは車で15分程度かかるのですが、徒歩圏内に住んでいる友人がいるのです。
今回、その友人も同窓会に出席しており、その際に一緒に初詣に行こうという運びになったわけです。久しぶりの足摺岬なので、ちょっと観光もしてしまおう。

あ、ちなみに

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実家から取れる駅の札付きになるという目標は、元日の朝に見事達成しました。リンクしたときの時間当たりのスコアは低いんですけど、駅にアクセスしたときのスコアを増やすスキルを持ったでんこ、なるのおかげでなんとか達成しました。

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海部(かいふ)なる。お世話になりました。
ちなみにこのでんこは、徳島の駅「海部駅」の名を関して、どうもその駅を走る列車の車両がモデルになっているらしい。のちに高知県内のとある駅を取得しに行く際に、レーダーという近くにある駅を取得できるアイテムでゲットできそうなので、なるでゲットしてあげたいと考えている。

さて、そんなこんなでやってまいりました、足摺岬

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ドーーーーーーン!!!!!!!
流石にこれは絶景だと言わざるを得ない。天気も最高に良くて、空も海も真っ青!僕はそんな早い時間に起きられなかったけど、きっと初日の出もキレイに見られたに違いない。
佐清水におけるほぼ唯一といっていい観光地なので、せっかくなので友人が提供してくれた写真も合わせていくつか紹介させてもらう。

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と思ったんだけど、この友人、僕ともう一人の友人が映った写真ばかり撮っていて、あんまり景色の写真がなかった。僕らのことが大好きなんだろうか。照れる。
というわけでこの写真は僕がその友人に、足摺岬を綺麗に望める展望台の上で「ここに立って大きな声を出してみて」と言われ、実行した時の写真である。なんで?と聞いたけど、その友人は「やってみればわかる」としか言わなかったので、わりと他の観光客もいる中「こんにちは!」と大きな声で叫んでみたが、特に何もなかった。
どういうことか友人に詰め寄ったら「ここで大きな声を出すと響き方が違う気がする」と言われた。前言撤回だ、僕のことがあまり好きではないのかもしれない。

海の近くに降りることもできて、

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こんな感じで霊験あらたかっぽい神社の脇を通り抜けると

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白山洞門という自然の作り出した神秘を見ることができる。
このときはちょうど穴の向こうから日が差していて、本当に見とれてしまうような、綺麗な景色だった。海の写真もそうだけど、僕の写真の技術がないせいもあるが、こればっかりは現地で見ないと伝わらないのが惜しい。
白山洞門の近くは比較的大きな石が転がっている海岸になっていて、ビーチと呼ぶのは憚られるが、なかなか気持ちのいい海が広がっている。この日は本当に天気も良く暖かかったので、僕たちも散策中はコートを脱ぐこともあったほどだ。

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駅メモの「おでかけカメラ」で、僕のお気に入りのでんこのひとり「神居コタン」
と海を撮った。大変熱く元気なでんこなので、泳ぐぞとか言いだしそうな勢いだ。いくら暖かいと言っても元日の海で泳ぐほどではない。そして、あまりにも駅メモの話題とかけ離れてしまっているので無理矢理駅メモ感を出そうとしているのが見て取れる。

ここで僕たちは手頃な石が転がっていることに目を付け「ロックバランシング」に挑戦した。
ロックバランシングとは、河原や海辺にある自然の石を絶妙なバランスで積み上げる遊びだ。上級者ともなるともはや重力に逆らっているとしか思えないレベルで、一見とんでもないアンバランスに見えながら絶妙なバランスで積みあがっており、究極のアートとまで言われることもあるようだ。

アートと言われると、思わずやる気を出してしまう。高校3年生の夏休みに写真部に入部しその直後のコンクールで、カメラに対する知識が「半押ししてピントを合わせて、全押しで撮影」ってことしかなかったのに賞を受賞した僕の美的センスと、その類稀なるバランス感覚を見せつけてやろうではないか。

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どうだろう。結構すごくないだろうか。
二段目より上の石がすべて絶妙なバランスで積みあがっている。もちろん接着剤などのズルはしていない。我ながら傑作である。

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調子に乗ってコタンが乗った写真まで撮ってみたが、先ほどこの記事を書くためにロックバランシングを調べてみたら僕の作品などハナクソに見えてしまうレベルの作品がゴロゴロでてきたので自信を無くしてしまった。

「あり得るわけないけど、またいつかここに来た時にまだ残ってたらいいねw」

なんて安い青春ドラマのセリフみたいなことを言ったりもしたけど、今となっては1秒でも早く倒れて激しい波にさらされ削られ雄大な太平洋を漂う海の藻屑となってほしいと思う。

というわけで寄り道は一旦この辺にして、金剛福寺に初詣です。

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普段は決して人が多い場所ではないけど、さすがは元日といった感じで出店もいくつか出店していて、境内は人で溢れていた。
僕たちもしばらく並んでから参拝をすませ、僕はお守りを買おうと売店?に向かった。
恋愛運とか金運とか仕事運とかじゃなくて、全体的にご利益のある感じのお守りが欲しい、といった僕に対して友人がこれいいじゃんと選んでくれたのは、車のダッシュボードなんかに貼れるようになった、シールタイプの交通安全のお守りだった。コイツ本当に人の話聞いてねえな。僕のこと嫌いなんじゃないだろうか。

ここでおみくじを引き忘れたことに気が付いたんだけど、参拝をする場所のすぐ横におみくじがあって、引こうと思うともう一度列に並ばないといけない感じだったので諦めた。またどこかで機会はあるだろうし、そのうち引こう。

さて、ここでちょっと足摺岬の個人的おすすめスポットを紹介したい。
もはや駅メモは全く関係ないが、そんなの知ったことか。ぶっちゃけこの記事は、僕の愛する地元土佐清水市足摺岬を推す記事である。その割には写真とか少ないし雑だけどな。

足摺岬には、「足摺の七不思議」と呼ばれるスポットがある。9個ある。

この時点で破綻している気もするが、まあその辺は太平洋のように広い気持ちでスルーしてほしい。
オカルトなものが大好きな僕なので、昔からこの七不思議が大好きだった。9個あっても大好きだった。すべてを詳細に紹介するとちょっと冗長になってしまうので僕のお気に入りをピックアップして紹介させていただきます。なんせ七不思議なのに9個もあるからな。

「ゆるぎ石」
弘法大師金剛福寺を建立した際に発見したとされる大きな石。
上に乗って揺らすと、その揺れ具合でその人の孝心(親孝行をしようと思う気持ち)がわかるという。
僕も乗って試しましたが、まったく揺れないということはないけど、さほど揺れませんでした。しかし、足摺岬出身の友人が乗って揺らすと僕のときよりずっと揺れる。僕には親孝行の気持ちが足りないのか…と思っていると、「これコツがあるのよね」と。コツってなんだよ親孝行の気持ちが大事なんじゃないのかよ。

「地獄の穴」
今は埋まってしまっているが、この穴にお賽銭を入れると、チャリンチャリンと小銭が落ちていく音が随分と長い時間聞こえ続けていたそうな。つまり相当深い穴で、それはまるで地獄まで続いているかのような……
看板には「金剛福寺の下の方まで続いていると言われている」と書いてある。実際のところはどうなのかはわからないし、つまり金剛福寺の地下は地獄なのか?という疑問は残るが、投げ入れた小銭は割と長い時間落ちていく音が聞こえていた。
昔は特に保護するようなものはなく剥き出しの穴だったけど、今はちょっとした祠みたいになっていた。まあこんな説明文があったらみんな思わずお賽銭入れちゃうだろうし、そりゃあ祠もできますわな!

「亀呼場」
はい、コレです。上記の二つはちょっと弄る感じになっちゃいましたが、このスポットだけは僕は本物だと思っている。
昔、弘法大師がこの場所で亀を呼ぶと海中から亀が現れて、大師はその亀の背中に乗って沖にある不動岩に渡り、祈祷を行ったと言われています。
この場所、マジで亀が来るんスよ。絶対信じてもらえないと思うんですけど、マジで亀が来るんスよ。大マジっス。
僕はこれまで、今回も含めて4回ほどこの場所で恥ずかしげもなく「亀よーーーーい!!!」って叫んだことがあるけど、ここ、マジで亀が来る。4回中4回亀が来たからもう間違いない。
大声で呼んだ後、長くても3分待ってれば亀は来る。今回も来た。
今回はちょっと呼んだ後に他の観光客が来たので、長居するのもアレかなと思って確認しないでその場を去ったんだけど、その直後に観光客の歓声が上がった。ダッシュで戻ったら、「あー見えなくなっちゃった」とのこと。
ここでもう一回僕らが亀を呼んだらヒーローだな、と思って、本当はちょっと恥ずかしいけど「亀よーーーーい!!!」と叫ぶ。このあと3分は待っていたいんだけど、観光客の中には子供もいるし、いい歳したおっさんどもが場所を占領してるのも良くないと思い退散した。
そしたらその直後また歓声が上がる。やはり亀は来たのだ。
そんなことを何回か繰り返してるうちに、僕たちも無事亀を見ることができた。亀も正月早々何度も呼び出されて迷惑だったかもしれない、申し訳なかったと思う。
あと、観光客が全然亀を呼ばない。本来その役目を負うのはお前だろっていうキッズまで全然亀を呼ばない。僕たちしか亀を呼ばない。僕たちだって恥ずかしいんスよ。

あとここで亀を呼んで目撃した後、友人が競馬で「タートルボウル」という馬を父に持つ馬の馬券を買って見事に的中させた。
最初話を聞いたとき「ご利益があったんだ!」と思ってテンション上がったんだけど、改めて文章にしてみるとちょっと無理矢理な感じがする。さほどご利益どうこうの話ではない気がしてきた。

そんなわけで、足摺岬の七不思議から、僕の特におすすめする三か所を紹介させてもらった。9個ある七不思議の内3個を紹介させてもらった。
他にもまだ6個の七不思議があるので、詳しくは下記の土佐清水市公式サイトをチェックしてほしい。七不思議を3個紹介したのにまだ残り6個あるので、ぜひともチェックして、機会があれば実際に訪れて欲しい。亀マジで来るから。

足摺の七不思議 - 土佐清水市


このあと、昼飯でも食べようということになったんだけど、土佐清水には元日から営業しているお店が乏しいので、結局また中村駅周辺まで移動した。
そしてご飯を食べた後、腹ごなしにバッティングセンターに行った。

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半分くらいしか前に飛ばなかった。あと、空振りした時の腰へのダメージが深刻だった。
このあとちょうど4人だったので、卓球のダブルスで遊んだ。結構白熱してしまって、予定していた時間を結構オーバーして延長してしまったんだけど、延長料金が4人で300円だった。ウソだろおい。

結局帰宅したのは夜の7時半を過ぎていた。ササっと風呂に入って、母親お手製の数の子松前漬けをつまみに酒を飲んだ。あと、僕の好物ウツボの唐揚げだ。

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ウツボの唐揚げ自体は、東京の高知料理を出す居酒屋なんかで普通に食べることができる。ただ、そういったお店のウツボの唐揚げは、衣はパリッと身はふんわりと揚げられているものがほとんどだ。なんというか、ご飯のおかずにもなるかもってくらいで、上品な感じに調理されている。
しかし、一橋家のウツボの唐揚げはほぼ素揚げで結構な硬さになっている。スナック菓子のようにボリボリ食べることになるものもあるくらいだ。これではご飯のおかずにはならない。完全に酒の肴だ。
こういうタイプのウツボの唐揚げは、母親お手製のもの以外であまり食べたことがない。昔土佐清水にあった居酒屋で出たウツボの唐揚げを母親が真似て作ったものなのだが、そこで食べたことがあるくらいだ。
そんなわけで僕の好きなバリバリボリボリタイプのウツボの唐揚げにはなかなか出会えないかもしれないが、それに拘らなければ都内でも食べられるお店はある。4Bタイプ(バリバリボリボリタイプ)でなくても美味しい唐揚げなので、見かけた際はウツボの凶悪なスタイルに尻込みせずにぜひ召し上がってほしい。
ごく稀に、ウツボの小骨と言ってはいけないくらいに強靭な小骨が歯茎に刺さることがあるが、ウツボの見せた最後の抵抗だと思って優しく許してあげよう。

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僕の食事開始が遅かったので、両親は早々に就寝モードに入ってしまった。なのでこの日も自分の部屋で、るりと晩酌の続きをする。かまぼこが一切れしかないのがなんとも寂しいが、正月料理をいくつか拾ってきているのでなんとも贅沢な晩酌だ。

「あ、美味しいです!」

幸いるりはウツボの唐揚げを気に入ってくれたようだ。

「でしょー?よかった気に入ってもらえて。素揚げで堅く揚げた方がビールに合うんだよ。ささ、ビールもグイっと…」
「き、今日はお酒は遠慮しておきます…」

昨日、飲みすぎて年越し前に眠ってしまったことを後悔しているようだ。

「というか、年越し前に起こしてくれても良かったじゃないですか!」
「ごめんごめん。気持ちよさそうに寝てたから起こすのも可哀想かなってね」
「もう…。明日は予土線の駅を集めるんですから、マスターも飲みすぎてはダメですよ!」

そうだ。明日は父親の車を借りて、高知県内の予土線の駅をコンプリートしにでかけるのだ。

「そうだね、運転もあるんだし今日は早めに眠ることにするよ。足摺岬を歩き回ったり、久しぶりにバッティングセンターに行ったり卓球したりしちゃったから、結構疲れちゃったしね」
足摺岬、本当に絶景でしたね。水平線ってあんなに大きく見えると、なんだかちょっとだけ地球が丸いってことが分かる気がしました」
「ああ、わかるかも。ちょっと地球の形というか、まっすぐじゃなくて曲がってるように見えるよね」
「ウミガメさんも可愛かったです」
「そうそう、あの亀呼場は本物だね!」

そろそろ寝なきゃな、なんて思いながらも、話は尽きない。
こうして2020年最初の夜は、ゆっくりのんびりと更けていった。


続く。