あの夏の坂道。

駅メモのこととか旅行のこととかを、仕事してるフリをして書いています。

マスターオブ高知を目指す旅⑥ 完結編

おはようございます。1月4日、ついに高知県滞在最終日の朝がやってきました。
昨夜寝付けなかったので少々不安ではあったんですが、なんとか無事早起きができました。
今日は高知県の東側に延びる路線、「土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線」と「とさでん交通後免線」を攻略し、横浜への帰路の途中でJR土讃線の残りの駅を取得してマスターオブ高知の称号をゲットする計画です。
泣いても笑っても最終日、気を引き締めてかかります。

 朝は6時にセットしたアラームよりも早く目覚めることができた。
布団の中でゴロゴロしつつ目を覚まして、歯磨きをして寝間着から着替えて6時半からの朝食に向かう。

ホテルのバイキングの朝食ってなんかすごくテンションがあがる。あがりません?
いつもはそのハイテンションで動けねえってなるくらい食べちゃったりするんだけど、この日は寝不足なことと寝起き直後ということもあってまだ胃が活動を始めていないのか、軽めの朝食となってしまった。
まあ食べ過ぎてしまうと眠くなってしまうのでちょっと物足りないくらいで済ませるのが正解だろう。なんせ今日はこのあと車の運転が控えているのだ。

また車メモかよ!!!というツッコミを自らしてしまうレベルだけど、今日の車メモには理由があるのだ。まずは前回の記事でも貼った四国の路線図画像を見て欲しい。

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相変わらずゲジゲジぽくて怖い。
この路線図の高知県内の駅の内西側の駅はこれまでの攻略旅で取得してきたので、今日は高知駅より東側の駅を取得していくことになる。そこで注目してほしいのがここだ。

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高知県の東にある岬、室戸岬方面に向かう鉄道は土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線だ。この路線は室戸岬の方までは伸びておらず、奈半利駅という駅が終点である。
では高知駅からその奈半利駅まで列車で行って帰ってくればいいだけかというと、そう簡単な問題ではない。画像の右側、徳島方面から伸びてきている路線に注目していただきたい。「阿佐海岸鉄道」という路線の駅が、一駅だけ高知県内にあるのだ。

なんでだよ。

ふざけている。嫌がらせとしか思えない。そんなにも僕にマスターオブ高知の称号を与えるのが嫌なのか。
四国全県の駅を制覇する、いわばマスターオブ四国を目指す旅であればいずれ徳島側の路線も攻略しなければいけないのでそのついでに取得できてしまうだろう。しかし今回の僕のように高知県だけに限った攻略をする場合、この阿佐海岸鉄道の一駅だけ高知県内にはみ出している「甲浦駅」が最大の難関と言えるのだ。

まあこの駅を取得しない限りマスターオブ高知の称号はゲットできないわけで、文句を言っていてもしょうがない。なんとしてもこの甲浦駅を取得しなければいけないのだ。

というわけでレンタカーを使いこの甲浦駅を攻略しようと僕は考えた。
しかし、帰りの列車の時刻的に実際に甲浦駅まで行くことは難しい。できなくもないが万が一にもなにか渋滞などのトラブルに巻き込まれてしまうと、帰りの列車の時刻に間に合わなくなってしまう。
そこで活躍するのが「レーダー」というアイテムだ。
詳しく説明すると長くなるのでざっくりと説明させてもらうが、今いる場所から一番近い駅だけでなく、その周辺にある駅も取得することができるというアイテムなのだ。
このレーダーを使用すれば、甲浦駅まで行かずともある程度近づけば甲浦駅を取得することができる。
WEB上でどの辺まで行けば間違いなく甲浦駅がレーダーの射程範囲に入るかを調べられるツールがあったので調べてみたところ山側のルートと海側のルートがあったが、山側を通る道は「酷道」として知られる道のようで、僕の運転スキルでは若干の不安があったため海側のルートを選択した。

つまり今日の旅程は以下のようになる。

まず高知駅から土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線に直通運転をする土讃線に乗り「後免町」という駅に行く。そこから徒歩10分ちょっとのところにあるレンタカー屋で車を借り、ごめん・なはり線の駅を取得しつつレーダーのポイントまで移動。(奈半利駅周辺にはレンタカーがなかった)
甲浦駅を取得後折り返して戻ってきて車を返却、歩いて今度はとさでん交通後免線に乗り高知駅前まで戻ってくる。

さあ、シミュレーションはばっちり。いよいよマスターオブ高知を目指す旅、最終日のスタートだ!

8:30 高知駅

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本当はもう少しホテルでゆっくりしてレンタカーは10時から借りる予定だったのだが、とあることを思いついてレンタカー屋さんに電話して、1時間繰り上げて9時頃から借りられないかとお願いしてみたところ、快くOKしてもらえた。なので少し早めの出発となった。

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車内にはそこそこ人が乗っていた。
後免町駅までは20分足らず。駅メモのチェックインやレンタカー屋の場所の確認などをしていたらあっという間に到着した。

8:49 後免町

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後免町駅には超絶有名人気キャラクターのごめんまちこさんがいた。アンパンマンの生みの親やなせたかし先生は高知県出身だ。(厳密には違うらしい)
それゆえか高知県のいたるところにやなせたかし先生のデザインしたキャラクターたちをみかけることができた。

さて、ここからレンタカーを借りるお店まで歩いて10分とちょっとだ。早足で向かう道中、神社を見かけたので無事にマスターオブ高知の称号を獲得できるようにお願いをしておいた。

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9時ちょっと過ぎにレンタカー屋さんに到着。このレンタカー屋さんがとても親切で、本来借りるはずだった車よりもひとつ上のクラスの車を値段そのままで貸し出してくれた。なんだか予定していた車にちょっとしたトラブルがあったかららしいが、僕としてはお得だ。
また、1時間早く借りることになったにも関わらず返却時間は本来の予定通りの時間でいいと言ってくれた。僕は4時間くらいしか利用しない予定なので実際のところ関係はないのだが、その優しさが嬉しかった。

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今日の相棒だ。基本的に走りっぱなしのハードな旅になるけどよろしくな!

そしてここから宿毛線を攻略した時と同じように、駅メモの支援アプリを使って取得すべきエリアに入った際に音声通知をしてくれるように設定しておいて、通知が鳴ったらそのエリア内の信号で止まったときにチェックインする、もしくは一旦停車してからチェックインをする方法で駅を取得していった。
本当は予土線攻略の時のように各駅の写真を撮りたかったのだが、今回は万が一にも時間に遅れるわけにはいかなかったので写真がない。スマホを見返す度に残念でならない。

車は順調に走る。特に渋滞などもないまま、想定していたよりも随分とスムーズに進むことができた。時折海を望みながらのドライブで、この日も天気がよくて気持ち良かった。思えば高知にいる間はずっと好天に恵まれていた。

奈半利駅のエリアに入る少し前、田野駅のエリアでとあるお店を発見した。「ラーメンの豚太郎」だ。
「ラーメンの豚太郎」は高知県内に26店舗を展開するラーメンチェーン。チェーンと言っても、統一されているのは「味噌」「塩」「醤油」の3つの味のラーメンと餃子のみ。その他のトッピングや定食、一品料理やセットなどはすべて各店舗の店長が独自に考えて展開しているため、店舗ごとにそれぞれ特色があるのだ。僕が昔よく行っていた中村市の店舗にはおでんとかもあった。
以下のリンクから公式ホームページが見られるが、ぜひともCMのページに行きCM動画を見て欲しい。高知県民なら知らない人はいないとすら言えるCMなのだが、特に上のふたつが強烈に印象に残る。地方のローカルCMってなんでこんなにも心に刺さるんだろうか。

www.tontaro-kochi.com


そんな豚太郎が発祥と言われている、高知県内で親しまれているラーメンが「みそカツラーメン」だ。名古屋グルメの味噌カツのように味噌ダレのかかったカツのラーメンではなく、味噌ラーメンにトンカツがトッピングされたラーメンである。ボリュームたっぷりでまさにB級グルメといった感じで、高知にいた頃は本当によく食べていた。

今回の高知旅でこのみそカツラーメンを食べたいなと思ってはいたのだが、スケジュール的になかなかタイミングが合いそうになく正直もう諦めていた。だがもしもこの店舗が今日4日から営業していてメニューにみそカツラーメンがあるとしたら、思い焦がれたみそカツラーメンに再会できるかもしれない。今はまだ時間が早くオープンしていないようだが、レーダーポイントで折り返してきた頃には営業時間になっているだろう。期待を胸に車を走らせた。

そして間もなく奈半利駅のエリアに突入し、チェックイン。

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土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線、コンプリート!

その後またしばらく車を走らせ、レーダーポイントの目印にしていたホームセンターに到着した。ここからなら間違いなく甲浦駅に届くはずだ。

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よっしゃ!!甲浦駅をレーダーで無事ゲット!
ちなみにレーダーの射程範囲は、電友といういわゆる駅メモ内のフレンドがレーダーを使うタイミングで何人オンラインかで決まる。
このとき、想定していたよりもだいぶ多くの電友がオンラインだったようでレーダーの射程はかなり広範囲になっていた。阿佐海岸鉄道阿佐東線の3駅すべてが射程範囲だったのだ。というわけで

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宍喰駅海部駅もついでにゲット!

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阿佐海岸鉄道阿佐東線もコンプリート!

阿佐東線の駅にレーダーでアクセスしたでんこは「海部なる」という名前だ。そう、この阿佐東線の駅「海部駅」及び阿佐東線を走る車両をモデルとしたでんこだ。
高知記事その②でもちょっと触れたが、古津賀駅の札をゲットするために活躍してくれたお礼に、レーダーを使ってだけど里帰りをさせてあげられた。今回はレーダーだったけど、いつか一緒にきちんと里帰り出来たらなと思う。

さあ、最大の難関ともいえる甲浦駅を無事ゲットできた達成感にもう少し浸っていたいが、そういうわけにもいかない。想定よりもずっとスムーズに走れたおかげで予定より早く進んではいたが、豚太郎が営業していた場合のことを考えると決して余裕はない。トイレを借りて、駐車場とトイレのお礼にペットボトルのお茶を買って、来た道を戻る。

途中、50キロ制限の道であろうと60キロ制限の道であろうと30キロで走る超絶マイペースドライバーがいてちょっとヤキモキしたりもしたが、目をつけていた豚太郎に到着した。田野店という店舗らしい。営業中を示すランプが点灯しているので一安心だ。あとはメニューにみそカツラーメンがあるかどうか…豚太郎としても推しているメニューだろうしあるとは思うんだけど…

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ドーーーーーーン!!!!ありましたみそカツラーメン!

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嬉しさのあまり少し寄ってもう一枚画像をドーーーーーーーン!!!!!

なんて胃袋をダイレクトに刺激する食べ物なんだろう。この画像を見ただけで胃液が排出されるのを感じるレベルだ。深夜にTwitterに貼ったら完全に飯テロだ。

まだスープがしみていないカラッと揚げたトンカツを食べ、その後はスープに浸してしみ込んだカツを食べる。ニンニクが効いた味噌味のスープがしみ込んだカツは間違いなく美味い。そこに女子への気遣いなど存在しない。みそカツラーメンの味って男のコだよな。

お店はお正月料理に食べ飽きたのかなというお客さんがラーメンを求めてやってきていて、時間の割に混んでいたように思う。僕も夢中でカツを齧り麺をすすりスープを飲んで、大満足でお店を出た。朝食控えめにしておいてよかった。

13時頃にレンタカー屋さんに到着した。この後はとさでん交通後免線ではりまや橋まで戻ることになる。ある目的のために13時13分の電車に乗りたかったのだが、返却手続きを済ませたら13時7分ほど。走れば間に合うかもしれないが、みそカツラーメンを食べた身体にダッシュはちょっと厳しい。しょうがない、諦めるか…と思っていたら、なんとレンタカー屋さんが後免町駅まで送りますよ、と言ってくれた。神様なのかこのお店は。

借りる時間を1時間早く繰り上げてくれて、返却時間はそのままでいいと言ってくれて、ひとつ上のクラスの車を貸してくれて、駅まで送ってくれる。本当に至れり尽くせりだ。感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。

そしてとさでん交通後免線の電車に乗ってはりまや橋方面を目指す。
ここからは運転してるわけじゃないのでもう少し写真があってもいいはずなんだけど、完全に疲れていたようで写真を全く撮っていない。駅メモチェックインがこの時の僕の脳ができる作業の限界だったようだ。

そしてはりまや橋駅のひとつ手前、デンテツターミナルビル前駅にチェックインしたところで…

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とさでん交通後免線をコンプリート!!!
これで未取得の高知県の駅は帰りの岡山行特急電車から取得できる駅を残すのみとなった。

そしてはりまや橋駅で高知駅前方面に乗換れば高知駅に到着…のはずなんだけど、はりまや橋駅では降りず、そのまま進む。
1時間早く出発できたのに急いでいた理由、ある目的のために大橋通駅で下車する。すぐ目の前にある大橋通り商店街を進む。ある目的とは…

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ひろめ市場にリベンジだよ!!!!!!
いやーやっぱねえ、高知市内に来ておいてカツオのタタキを食わないで帰るわけにはいかんぜよ!!

そう、諦めきれなかったのだ。カツオのタタキでビールを飲まないでマスターオブ高知を名乗ることなどできるものか。駅メモにはぜひともマスターオブ高知の称号を得るための条件として「カツオのタタキを食べる」を追加してほしい。

しかし、この時間ならひろめ市場も空いてるだろと思って入店するが、そんなことはなかったぜ。驚いた。正月休み期間とはいえ、昼間からこんなに混んでるのか。
とはいえ流石に昨日の夜ほどでなく、少し探せば空いている席をみつけられて確保することに成功した。
さああとはカツオのタタキとビールの調達だ。昨日の夜に目をつけていたお店がある。「明神丸」というお店が藁焼きのタタキを出していて、なおかつひろめ市場内で一番の行列ができていた。あの店でタタキを買って、大ジョッキのビールをググイっと流し込んでやろうじゃないか。

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こんなの絶対おかしいよ。

ついに僕の大吉パワーが尽きたか。
とはいえ、実は明神丸というお店はかなりの有名店で東京の新宿にも店舗を構えていたりする。明神丸のタタキは新宿で楽しませてもらうとしよう。他のお店でもタタキは売っているのだ。

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完全に勝利と言える状況だ。
もう残った高知の駅を取得しなくてもマスターオブ高知を名乗ってもいいかもしれない。

カツオのタタキは美味いなあ。お刺身が苦手だって人でも食べられることもあるというから、タタキっていう調理方法はやっぱりすごいんだね。
おろしにんにくじゃなくスライスのニンニクを添えて食べるのが絶品。そうじゃなきゃ食うな、まである。ああ幸せだ。ひとまずこれで、高知市内でやり残したことはもうない。気持ち良く帰路につけるというものだ。
でも大ジョッキはやりすぎたな。豚太郎のみそカツラーメンがかなり効いてる。お腹いっぱい過ぎて最後の方は飲み干すのがちょっと辛かった。
あと、岡山行の特急の車内と岡山からの新幹線の車内で隣になる人、先に謝っておきます。ものすごいニンニク臭を発する人間が隣になります、ごめんなさい。

岡山行特急列車の時間が迫っている。駅に急ごう。

15:13 高知駅

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いよいよ、横浜への帰路となる列車に乗る時間になってしまった。なんだか名残惜しくて、ホームから高知の街を眺める。いけない、感傷的な気持ちになってしまっている。カツオのタタキは食べたけど、まだ高知には未取得の駅が残っているんだ。ましてや特急電車、通過する駅もあるんだから気を抜いてはいけない。

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たくさんの乗客を乗せ、特急南風20号で岡山へと出発した。
順調に残りの駅を取得していく。そして…

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マスターオブ高知。
高知の駅取得率が100%になった証。
ついに、その称号を手にすることができた。



8年振りに帰った地元高知県は、変わっているようで変わっていなくて、変わっていないようでとても変わっていた。
南海トラフ地震津波対策として、避難場所となる施設が作られていたり、土佐清水市の中でも高い場所に銀行や学校が移転し、たくさんの家が建てられていた。
よく知っているあのお店が、閉店したどころか更地になってしまっていた。
前よりもずっと、街に人が少なくなってしまっているように感じた。
両親が随分とおじいちゃんおばあちゃんになっていた。

ふと思った。僕は高知県に戻ってくることはあるのだろうか。帰省ではなく、今の都会の暮らしを離れ、高知県で、土佐清水市で仕事をして家を持ち暮らすようなことがこの先あるのだろうか。
絶対とは言い切れないけど、何か大きな失敗をしてこっちで暮らせない理由が出来でもしない限り、多分それはないとおもう。随分と冷たい言い方になってしまうけど、僕は今の都会の暮らしを気に入っているし、やはり土佐清水市は今の僕には退屈過ぎると思う。これは、本当に馬鹿にしているわけじゃなく、そう思う。もちろんその意見は僕の個人的なもので、あくまでも僕にとっては退屈過ぎるというだけだ。

だけど、土佐清水が、高知県が大好きな人がいる。それが変わっているようで変わっていないと思ったことだ。
同窓会で久しぶりに会った友人たちは、土佐清水なんてもうだめだよと笑いながら言った。
都会の暮らしに憧れ、都会で暮らす僕を羨ましいと言った。
飲み屋のおばちゃんは、この町は若者が少なくなっちゃってどうしようもないよと言った。
ホテルのフロントの人は正月休み以降全然予約が入ってないんですと苦笑した。

みんな、高知が嫌になってしまったんだろうか。

友人たちは土佐清水をなんとかしたくて土佐清水で働いていた。
結婚し、子供を作り、新しい家庭を築いていた。
飲み屋のおばちゃんは常連さんと話して心から楽しそうに笑っていた。
ホテルのフロントの人は高知の街のおすすめのお店を、自分の体験も踏まえてたくさん教えてくれた。

なんだ。やっぱりみんな高知のことが大好きなんだな。そしてそれを嬉しく思う僕もやっぱり、土佐清水が、高知県が大好きなんだと改めて思った。
きっと、地元が大好きだという気持ちは昔からずっと変わっていないんだ。そしてこれからも変わらないはずだ。


マスターオブ高知を目指す旅

おしまい。